妙蓮寺のお会式

みょうれんじのおえしき

 御前山地域桧山にある日蓮宗寺院 妙蓮寺で行なわれる、宗祖 日蓮上人の忌日法要です。

 日蓮は鎌倉時代の弘安5年(1282)10月13日、池上(東京都大田区)の本門寺(ほんもんじ)で没したとされます。本門寺では、今でも10月12日の夜に万灯供養が盛大に行なわれ、他の日蓮宗寺院や檀家などでも、上人の命日を中心として上人の威徳を偲び、お会式を行なっています。

 現在、日蓮宗木曽山妙蓮寺は、世帯数40ほどの桧山集落の人々が管理しています。現在の建物は小さな御堂といった感じですが、正安2年(1300)に日蓮の直弟子 日弁上人の開基と伝えられる古刹であり、昭和40年代に現本堂が再建される以前は数倍もの仏閣で、祭礼のたびに大勢の人が集まって賑わったそうです。

 現在、妙蓮寺のお会式は、旧暦の10月13日に近い週末に行なわれ、その年の当番にあたった5軒の人々が、2日ほど前から堂内の清掃や餅つきなどの準備を始めます。準備の中心は、妙蓮寺のお会式の特徴である「餅柱(もちばしら)」作りで、赤や緑に着色され薄く伸して四角と三角に切った餅、柿、大根、菊の花とともに須弥壇(しゅみだん)の左右にある柱に縛り付けた麦わらの束に美しく飾り付けます。

 当日の午後、城里町の日蓮宗寺院から僧侶を招いて御祈祷を行い、集落の人々が参拝します。1時間ほどで行事は終了し、餅柱はすぐに解体され、今年の当番と来年の当番10軒で餅を分け合って解散します。

 準備作業や行事の様子は、(財)地域創造「地域文化資産ポータル」掲載の「常陸大宮市のまつりと行事」内に収録されています。

(参考/広報 常陸大宮「ふるさと見て歩き 45」平成21年1月)