高長寺

こうちょうじ

 日照山(にっしょうざん)高長寺は、大宮地域鷹巣(たかす)にある曹洞宗の寺院です。横瀬村(よこせむら 鷹巣地区の一部)に寺院がなかったのを憂えた水戸2代藩主徳川光圀により、天和3年(1683)に引寺されてこの地に移りました。

 伝えによれば、佐竹一族の小野崎義忠が、戦死した父 高長の菩提を弔うため、石神村(東海村)長松院(ちょうしょういん)住職 長淳大和尚を開山として、大永5年(1525)8月にこの寺を建立したといいます。水戸藩が寛文3年(1663)にまとめた「開基帳」によれば、長松院末寺の高長寺は、当時、手綱村(たづなむら 高萩市)にあり、文明9年(1477)、伝処和尚の開基と記されています。

 境内には、6万4千もの一字一石経を埋納した上に安置されていた釈迦如来を中尊とした十六羅漢の石仏群があります。また、かつては玉簾寺(ぎょくれんじ 日立市)の鷹巣分霊所があり、安産を願う婦人たちで賑わったそうです。